───監禁部屋を訪れた俺は、ズラリと並ぶ鉄扉の一つを
美樹に命じて開けさせ、中を覗き込んだ。
───薄暗い小部屋の中、怒りと憎悪を篭めた顔を上げる
理恵。
もっとも───その顔は、目隠しと猿轡で隠されている。
俺が命じて着けさせておいたものだ。
しかしそれだけ隠れていても明確にわかるほどの敵意が、
理恵から発されていた。